
ソフトウェアエンジニア SoCソフトウェア事業部
有門 智弘Tomohiro Arikado
2006年入社 情報生産システム研究科 情報生産システム工学専攻修了

半導体業界を選んだ理由は「身近な誰かの生活を豊かにできる仕事だから」と語る有門。「本当はソフトウェア業界とどちらを選ぶか迷っていたのですが、身の回りのいろんな製品に組み込まれる半導体の方がやりがいは大きいと考えて、決断しました」。そんな有門にとって携帯電話向けLSIのソフトウエアを開発する仕事は、まさに理想のフィールド。「いつか自分が担当したLSIが世界中の携帯電話メーカーに採用されて、いろんな国や地域の人々の生活を豊かにできたら嬉しいですね」と、夢を膨らませている。
世界最先端のLSI開発に触れられたインターンシップ。
その“刺激的な時間”が、入社のきっかけになりました。
例えば、バイオリン片手に“夏休みの音楽体験教室”だと思って出かけたら、そこには世界一の交響楽団が待ちかまえていて、「さあ一緒に演奏してみよう」と言われた感じ…といえば、イメージしていただけるかもしれません。大学院の夏休みを利用して参加したNECエレクトロニクスのインターンシップは、そんな“刺激的な時間”でした。
きっかけは、大学の掲示板で目にした「インターンシップ募集」のポスターでした。研究室の実験ではなく、実際にLSIを開発している現場の雰囲気に触れてみたいとの思いから参加したのですが、驚いたのは、学生向けに用意されたバーチャルな開発ではなく、本当の製品開発に参加できたということ。期間中は、2週間にわたって画像処理回路の検証作業に取り組んだのですが、先輩社員の指導を受けながらとはいえ、職場体験という枠を超えて“世界最先端のLSI開発”に触れられたこと、その緊張感や醍醐味を味わえたことにとても興奮したのを覚えています。また、失敗の許されない仕事をわずか2週間しかいないインターンシップの学生に任せてしまうNECエレクトロニクスという会社を「何て大胆な発想をもった会社なんだろう」と感じました。
今にしてみれば、そうした懐の深さは「どんな結果になろうとも、自分たちなら必ずリカバリーできる」というプロフェッショナルの自負と誇りに裏打ちされているのだということ、そしてインターンシップそのものが“これこそ、研究室では味わえない本当のLSI開発の面白さだ”という先輩エンジニアたちからのメッセージだったのだと思います。
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任せてもらえるから、自然と責任感や意欲が湧いてくる。
その“スパイラル”がプロを育てるのだなと実感しています。
入社して驚いたのは、「自分の意見があっさり通る」ということです。現在参加している携帯電話向け通信機能用ミドルウェア(注)の次期アーキテクチャ検討でも、メンバーの中で最もキャリアの浅い私の意見を、先輩たちは迷うことなく「よし、やってみよう」と採用してくれました。私が提案したのは、ソフトウェアの構造をよりシンプルなものに変更して、従来通りの機能性を維持しながら品質不良の原因となるソフトバグの発生を抑えるというもの。これは以前に同じミドルウェアの品質改善を担当していた時にひらめいたアイデアで、それなりの自信はありましたが、ソフトウェアの構造を変更するとなれば検証に半年近い時間を要します。当然、いろんな反対意見もでるだろうと思っていただけに、GOサインが出た時は「本当にいいんですか?」と逆に不安になりました(笑)。
インターンシップでもそうであったように、NECエレクトロニクスには「技術のポイントを押さえたうえで、あとは後輩に任せてみる」という風土があります。もちろん困ったときには相談に乗ってくれますし、実はこっそりと修正してくれたりするのですが、基本的には任せてくれる。きっと、後輩の成長に期待し、開発のおもしろさを味合わせようとしてくれているのだと思います。だから私たちも自然と「若手だからという甘えは許されない」という意識や「先輩の想像を超える結果を出してみよう」という気持ちが強くなります。そうした“スパイラル”がNECエレクトロニクスのプロフェッショナリズムを育んでいるのだなと実感します。
(注)ミドルウェア
OS(基本ソフト)上で動作し、アプリケーションソフトに対し、OSよりも具体的な機能を提供するソフトウェア。OSとアプリケーションソフトの中間的な位置づけとして、ミドルウェアと呼ばれる。
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エンジニア同士のコミュニケーションが欠かせない
思った以上に“人間味”のある仕事です。
当たり前のことですが、携帯電話にとって「通信機能」は切っても切れないもので、それを実現するLSIや組み込みソフトウェアには絶対に異常を起こさない高い品質水準が要求されます。また、通信を行うソフトウェアですから、当然、それを受け取る“通信相手”ときちんとつながることが大前提となります。さらに、携帯電話の中では、私たちが開発するミドルウェア以外にも、多種多様なソフトウェアが動作し、それぞれが複雑に連携しあっています。こうした「関係性」をきちんと理解・把握して、その中での役割を果たしていくことが、私たちの重要な責務です。
とくに最近は、GSM(Global System for Mobile communication)や3Gなどグローバルな通信標準規格に基づく最先端のソフトウェア開発に携わるようになって、通信機能やソフトウェアの連携に関するマニュアルや規格書もほとんどが英語の文書になっています。新しい機能を開発する時、あるいは何か動作上の問題があった場合には、この数千ページにも及ぶ英文の規格書を読みながら、徹底的に問題点や矛盾点がないかを検証するわけです。そこに書かれている内容を正しく理解し、その膨大な情報の中から最適解を一つずつ見つけだして紡いでいく…というのは、とても地道で根気強さが求められるプロセスです。
それでも、その過程で海外のエンジニアと話し合って互いに動作条件を譲歩しあったり、お客様に規格違反があればそれを指摘したり…さまざまな人との関わり合いもあって、思っていた以上に人間味を感じる仕事だなと感じますし、「世界を相手に仕事をしている」と日々実感できることも、この仕事の魅力です。
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世界を相手に仕事をするなら、やはり“英会話”は必須です。
世界を相手に仕事をする…といえば、こんな苦い思い出もありました。
入社2年目のこと、上司に呼ばれて会議室のドアを開けると、そこには初めて顔を合わせる英国拠点のエンジニアが…。わけもわからず呆然としていると、「こちらの方に、現在起きている問題点と調整状況を説明してくれ」という上司のひと言。大学時代にある程度の英会話は勉強していたものの、必要とされているのは“日常会話”ではなく、“エンジニア同士の会話”。すっかりしどろもどろになってしまい、冷や汗をかいたのを覚えています。
それからというもの、仕事の合間を利用して英会話を勉強しまくって(笑)、何とか海外のエンジニアともディスカッションできるまでになりました。今後ますます海外拠点とのコミュニケーションの機会は増えていくはずです。今のうちに英会話を磨いておくことを、皆さんにもおすすめします。
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